集団のエネルギーとチームの舳先

投稿日:2014/10/12 カテゴリー:ブログ

個人が集まり集団を形成すると、個人には見られない特性が発生することがあります。特に多様性に富んだ個人の集まりの場合には、メンバ―間のパワーバランスの結果として独自の集団の基準や規範が形成されることがあります。
そして、それが集団のメンバーへの同意と順応を求める圧力となりうることがあります。集団の擬集性とは、集団におけるメンバー個人が互いに引き合う程度や力(団結度合い)のことであり、この擬集性が高いほどメンバー個人への従属の圧力が働きます。

集団の擬集性が高く、外部との接触があまりなく隔絶していて、かつストレスが大きい場合に集団浅慮(グループシンク)という事態が発生します。この場合、個人の意思ではなく、集団で意思決定を行うと、かえって短絡的に決定がなされてしまうようになります。
集団浅慮は、集団自らに対する過剰評価、閉鎖的発想、排他的意思、画一性や同調への圧力、挑発的な外部環境の知覚などによってもたらされます。
集団の意志決定や結論が極端なものになることをグループシフトといい、極端にリスクの高いもの
になる(リスキーシフト)ケースと、逆に極端に慎重になる場合があります。

チームコーチングの現場で、チームコーチはこのようなグループダイナミクスの原理を把握した上でチームコーチングをリードします。チームメンバーはどのようなタイプの人でどのようなことに価値を感じ、どういう観念を持っているのか?
チームが置かれている環境はメンバーにとって受け入れられるものなのか? あるいは何かストレスを感じていたり、否定せざるを得ないようなことが起きていないか? 自己否定や閉塞感、あきらめの気持ちを持ってはいないか? そして、変化することへの対応を受けとる準備ができているのか、そうではないのか? このような観察や洞察を行っています。

体験や発言、熟考あるいは内省により個人の意識の変化やメンバー間の関係性に動きがみられるとチームは適切な状態へ向かおうとする力が働いていると思います。それはメンバー間に平等な関係性を維持するエネルギーが与えられ、相互の関わりから新しい成果や結果を導こうとする動きになる。つまり不平等な関係や状態では、チームはそのパフォーマンスを発揮することは難しいといえます。メンバー間に偏りや関係の隔たり、依存関係があるうちはメンバーの人数分以上のパフォーマンスを発揮することは困難です。
チームコーチは、公平な視点でメンバーと接し、平等な関係性があることを把握して、多様性がもたらすアイデアやイノベーショの創出に向かって舳先を向けます。

このような集団に所属したり、身近で遭遇した体験はないでしょうか? メンバーの立場では、なかなか気づかないことが多いでしょう。
大切なチームや重要な意思決定が行われる会議の場には、チームコーチの存在が必要ではないでしょうか。

インテリジェンスフィールド合同会社
代表 福田祥司