チームコーチングとの出会い

投稿日:2014/08/03 カテゴリー:ブログ

「最強組織の法則」という本を読んだときの衝撃は、今でもはっきり覚えています。
(この本は、ピーター・M・センゲというMITの教授が著した「The Fifth Discipline」という本の訳書。最近「学習する組織」という邦題で、新しい翻訳者による訳書が出版されました)

計画がいつも総花的になってしまうが、何とかできないものだろうか?
どうして、改革はいつも中途半端に終ってしまうのだろうか?

私が経営者だったときに抱き続けたこれらの課題について、この本は明快な答えを提示していました。

「心の奥底には世界の仕組みに関して深く秘められた各自のイメージが存在し、それが新しい見識と相容れないせいで(新しいアイディアは)実行の段階まで進めないのだ」

センゲ教授はこの「世界の仕組みに関して深く秘められた各自のイメージ」のことを「メンタル・モデル」と呼んでいます。
各個人に特有な人間観や世界観、その他の信念。
企業が長年培ってきた企業文化や企業風土、企業環境に対する認識。
これらはすべてメンタル・モデルです。

メンタル・モデルには、次のようなやっかいな特性があります。

メンタル・モデルは、普段は無意識のうちに隠れているためその存在に気づかない。
個々人のメンタル・モデルの違いは、結果的に言動や行動の違いとして現れる。
複数のメンタル・モデルを統合しようとするとコンフリクト(衝突)が発生する可能性がある。
外部環境に対するメンタル・モデルが更新されないで、古いままになっていると、企業は環境変化に適応できず淘汰される恐れがある。

改革の多くが頓挫するのは、このメンタル・モデルの更新や統合を行わないからなのです。
例えば会社の幹部たちが、重要な分野で異なるメンタル・モデルを持っている場合、適切な戦略が発案されたとしても、決して合意できません。
メンタル・モデルを不用意に統合しようとすれば、幹部間で深刻なコンフリクトが発生し、組織に亀裂が発生するかもしれません。
逆に、コンフリクトを恐れ率直な対話を避けた場合、戦略は今までの流れを踏襲したものにならざるを得ず、計画も総花的になり、改革は頓挫します。
これらは、経営者にとって深刻なジレンマです。

まずは、幹部たちの頭のなかにある環境認識や思考パターンを改革の第一番目の対象とすべきだと、センゲ教授は主張しています。
しかし、具体的な方法論があまり詳しく書かれておらず、「こんなこと、どうやったらできるのだろう」と読み終えた後も疑問が残りました。

そんなときに知ったのが、「チームコーチング」という新しいメソッドです。
チームコーチングによって、組織を構成する人たちの環境認識や思考パターンを新しいものに更新し、統合することができるらしいということが分かりました。
さらに理解を深めるうちに、チームコーチングは組織改革を支援する強力なメソッドであると確信しました。

それから2年かけてPHP研究所のチームコーチの認定を取得し、私は今、チームコーチとして活動しています。

チーム・コーチングは必要なコンフリクトを建設的に止揚し、メンタル・モデルの統合を促進します。
チーム・コーチングは組織を一枚岩のチームにし、改革の実行を強力に支援します。
チーム・コーチングは個人のコミットメントを高め、急速な行動変容と成長を促します。

私は、チームコーチングの有効性と圧倒的なパワーを実感しています。
そして、人生の後半にチームコーチングに出会い、世の中への貢献のひとつのすべを与えてもらったことに感謝しています。

株式会社ダイアローグ
代表 原田 一郎